以下、本文
1.読書バリアフリー法(仮称)制定へ向けて
所長 川崎 弘
 記録的な猛暑が続いておりますが、お変わりございませんか。
 6月18日に発生した大阪北部地震に続き、7月上旬に発生した西日本豪雨では、200名を超す死者・行方不明者を数え、いまだ多くの方々が猛暑の中、不自由な避難生活を余儀なくされています。7月7日夜には、千葉県東方沖を震源とする地震が発生し、長柄町で震度5弱を観測しました。久々の緊急地震速報(エリアメール)に驚かれた方もあったのではないでしょうか。どこで災害がおきても不思議ではない状況が続いています。日頃の備え、命を守る対策を講じなければなりません。千視協としましても、備蓄品の見直し、災害発生時に拠点となりうる施設として、どうしていけばよいか検討しています。
 さて、視覚障害者等が著作物を利用することを促すマラケシュ条約が、4月25日参議院本会議で承認されました。世界知的所有権機関(WIPOワイポ)が提案した同条約は、2013年6月27日、モロッコのマラケシュという都市で採択され、16年9月30日に効力が発生しました。締約国は今年2月時点で33か国です。条約は、著作物を点字図書や録音図書に複製し、利用しやすくするよう各国に求めています。
 条約は受益者を「盲人、視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者」とし、識字障害者(ディスレクシア)、書物を持つことが難しい肢体不自由者を含めました。そのうえで、締約国が受益者のために、著作権(複製権、譲渡権、利用可能化権)の権利制限規定を設けること、受益者が利用しやすい形式の複製物の輸出入が円滑に行われるよう、制度を整備することを規定しています。
 日本ではすでに、視覚障害者等が著作者の許諾を得ずに複製できるようになっていますが、肢体不自由者は含まれていません。このため、受益者の範囲を広げる著作権法改正案が、今国会で審議され5月15日成立しました。(施行は来年1月1日)
 複製物の輸出入に関しては、各国の「権限を与えられた機関」(日本では国立国会図書館と全国視覚障害者情報提供施設協会)が窓口になります。
 このマラケシュ条約の批准と共に、障害があってもいつでも好きな本が読みやすい媒体で買える、借りられるようになることをめざし、障害者の読書環境を総合的に整備するような読書バリアフリー法の制定を、日本盲人会連合、全国盲ろう者協会、DPI日本会議、弱視者問題研究会の4団体が中心となり、求めてきました。7月17日に開催された参議院議員会館での院内集会へは、超党派の国会議員16名を含め160名を超える参加者が集まりました。千視協からも7名が参加してきました。秋の臨時国会での成立を目指しています。
 法が成立すると、会費と利用者からの寄付金に頼っているサピエ図書館の運営費や、現在任意事業となっている、点訳・音訳ボランティアの養成事業の必須事業化等予算措置にも、道が開かれる可能性があり、まさに読書環境の向上に寄与するものと期待しております。センターでもこれまで予算措置がないため、点訳・音訳のボランティアの皆様の無償の働きに頼ってきております。感謝してもしきれません。この現状も伝えていかなければなりません。一連の流れで考えさせられたことです。今回は固い話題となりましたが、情報提供事業の根幹にかかわることですので、知っておいていただきたいと思い、書かせていただきました。
 多くの皆様に支えられ、私たち職員一同これからも、これまで以上に皆様に利用していただける施設づくりを目指しますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

2.支援センターからのお知らせ
休館のお知らせ
 8月17日(金)は、職員研修・会議のため、13時から休館とさせていただきます。
また、10月6日(土)は、第66回千葉県視覚障害者福祉大会のため、休館とさせていただきます。ご不便をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いします。

 

図書整理日について
 毎月第1金曜日は「図書整理日」のため、貸出業務は休止となります。また、電話でのお問い合わせも休止とさせていただきます。
皆様には、大変ご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
*8月の図書整理日:8月3日(金)  8月4日(土)は開館しております。
*9月の図書整理日:9月7日(金)

 

用具カタログについて
 用具のカタログ(墨字版)が完成しました。ご入用の方は、用具部(電話:043-420-8763)へお申し込みください。点字版・音声版は現在、製作中です。

 

寄贈資料のご案内
●次の資料が寄贈されました。貸出を希望される方は、貸出担当(TEL:043-424-2588)までお申し込みください。
・全日本鍼灸マッサージ師会 発行 『東洋療法 第291号』点字1冊
・群馬県議会事務局 発行 『群馬県議会時報(第122号)』点字1冊

●次の資料は差し上げます。ただし部数に限りがあります。
・内閣府政府広報室 発行
 『点字・大活字広報誌 ふれあいらしんばん(Vol(ボリューム).61)』1冊
 『明日への声(Vol.61)』一般CD1枚

 

3.新入図書の紹介
[書名、著者名、冊数、原本出版者、出版年、解説の順に読みあげます。]
 (点字図書)
<一般書>
104*哲学の使い方(鷲田(わしだ) 清一(きよかず) 著)4冊 岩波書店 2014年
〔答えがすぐには出ない、答えがあるかどうかもよくわからない――。そんな息苦しさを抱えた時代に、私たちは哲学をどう「使う」ことができるのか? 「初期設定」の問いかえしを試み、新たな見晴らしよい世界のありかたを考える。〕

 

188*禅マインドビギナーズ・マインド2――ノット・オールウェイズ・ソー(鈴木 俊隆(しゅんりゅう) 著,藤田 一照(いっしょう) 訳)4冊 サンガ 2015年
〔革命とクリエイティビティの源にある、自由と洞察のスピリット。あらゆるものから自由になるために、そして人生を楽しむために――。アメリカの精神文化に多大な影響を残した鈴木俊隆が禅の真髄を語った法話集。〕

 

195*親分はイエス様――神と出会ったミッション・バラバの物語(アーサー・ホーランド 著)2冊 PHP研究所(けんきゅうしょ) 1996年
〔元極道の男たちが、クリスチャンに改心。入れ墨を見せ、讃美歌を歌うという破天荒な布教活動で反響を呼んでいる。入れ墨伝道団ミッション・バラバをはじめた牧師が語る、バラバ誕生の秘話と、神と出会うことの意味。〕

 

281*戦国参謀頭の使い方――日本の歴史を変えた軍師列伝(小和田(おわだ) 哲男(てつお) 著)4冊 三笠書房 1996年
〔生きるか死ぬか、勝つか負けるかは紙一重…この時代を勝ち抜くには何が必要だったのか。天下を狙った主君を勝利に導いた「戦いのプロ」たちの、知られざるエピソードを網羅!名参謀にスポットをあてた、ナンバー2たちの戦国史。〕

 

281*人生の終(しま)い方――自分と大切な人のためにできること(NHKスペシャル取材班 著)2冊 講談社 2017年
〔自分の人生がもう長くないとわかったとき、あなたなら何をしますか――。桂歌丸、水木しげるなど、11の自分らしい最後の時間の生き方を紹介する。NHKスペシャル「人生の終い方」をもとに書籍化。〕

 

293 南フィンランドの旅(駒草(こまくさ) 義太郎(よしたろう) 著)1冊 文芸社 2001年
〔ある日、一家そろってのフィンランド旅行を決行! ガイドブック片手の旅行が始まった。隠れてタバコを吸って家族の総スカンをくらったり、ムーミンはカバじゃなかったのかと驚いたり、森と湖の国をめぐる、8日間の記録。〕

 

320 官民データ活用推進基本法 電子委任状の普及の促進に関する法律 青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律 1冊
総務省e-Gov(イーガブ)法令検索 2018年
〔平成28年12月14日公布の「官民データ活用推進基本法」、平成29年6月16日公布の「電子委任状の普及の促進に関する法律」など、全3法令を収録。〕

 

320 児童虐待の防止等に関する法律 民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律 1冊 総務省e-Gov法令検索 2018年
〔平成29年6月21日改正の「児童虐待の防止等に関する法律」、平成28年12月16日公布の「民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律」を収録。〕

 

335*孫正義(そんまさよし)掟破りの決断(大下 英治(えいじ) 著)3冊 講談社 2000年
〔天才起業家と呼ばれる孫正義の波乱に満ちた半生から、IT革命の覇者となるまでの重要な決断を選び、破天荒な発想の秘密を明かす!〕

 

<文学書>
913*昨夜(ゆうべ)のカレー、明日(あした)のパン(木皿(きざら) 泉(いずみ) 著)3冊 河出(かわで)書房新社 2016年
〔7年前、25歳で死んだ一樹。嫁のテツコと一樹の父は、まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。なにげない日々の中にある「コトバ」の力が心にしみる連作小説。書き下ろし短編「ひっつき虫」も収録。〕

 

913*横浜駅SF(柞刈(いすかり) 湯葉(ゆば) 著,田中 達之[画(え)])5冊 KADOKAWA 2016年
〔日本は自己増殖する〈横浜駅〉に支配されていた。脳に埋め込んだSuikaで管理されるエキナカ社会。その外で暮らすヒロトは、エキナカを追放されたある男から人類の未来を担う使命を課せられ…。『カクヨム』掲載を書籍化。〕

 

(音声デイジー図書)
<一般書>
070*アメリカ・メディア・ウォーズ――ジャーナリズムの現在地(大治(おおじ) 朋子(ともこ) 著)(9:17)講談社 2013年
〔ライバル紙との記事共有化、NPOメディアの勃興、調査報道手法の変化…。ウェブで激変する米国新聞業界。新旧メディアそれぞれの生き残り戦略とは? 改めて問われるジャーナリズムの役割を丹念な取材で追う。〕

 

210 逆説の日本史22――明治維新編(井沢(いざわ) 元彦(もとひこ) 著)(21:17)小学館 2016年
〔西郷軍の士気は旺盛だったが、それに呼応しようとする勢力は思ったほど出なかった。挙兵の大義名分を「西郷先生暗殺計画の糾弾」においたからだ――。「ラストサムライ」の終焉を描く。〕

 

281*お姫様は「幕末・明治」をどう生きたのか(河合(かわい) 敦(あつし) 著)(6:33)洋泉社(ようせんしゃ) 2016年
〔幕末から明治にかけての激動期に姫たちはいったいどう生きたのか。将軍家の姫たちの覚悟と活躍、戦渦に巻き込まれた諸藩の姫たちの悲運…。15人のお姫様の知られざる生き様を、テレビなどでお馴染みの河合敦が紹介する。〕

 

289*児玉(こだま)大将伝(杉山 茂丸(しげまる) 著)(13:56)中央公論社 1989年
〔義兄の暗殺、神風連の変、西南の役、台湾総監督時代など、日露戦争を勝利に導き、海軍の東郷と並び称された満州軍総参謀長の55年の生涯を、政界の黒幕といわれた親友が思いをこめて記す。〕

 

336*「なるほど、その手があったか!」が量産できる“ひらめき”の作法(東(ひがし) 信和(のぶかず) 著)(4:02)ファーストプレス 2016年
〔伝説のヒットメーカーが、“ひらめきの作法”を使って考えた、世の中にまだ無い、14の新しい商品・ビジネスモデルを紹介。すぐに取り掛かれる「これしかない!」発想法を開示し、イノベーションを起こす仕組みにも触れる。〕

 

369 視覚障害者のための日常生活用具と補装具の給付及び貸与の実態調査事業――報告書(日本盲人会連合[編])(6:05)日本盲人会連合 2017年
〔日本盲人会連合では、日常生活用具の補装具の給付及び貸与の実態に関する調査を実施した。本書は、その調査結果、考察、提言をまとめたもの。〕

 

492 鍼灸(しんきゅう)と湯液(とうえき)の症例100選(池田 政一(まさかず) 著)(8:45)たにぐち書店 2016年
〔逆子、不妊症、顔面神経麻痺、坐骨神経痛とぎっくり腰、発熱、食欲不振、めまいなど、100の症例を取り上げて、主訴、問診、鍼と煎じ薬による治療、考察、余話を収録。治療雑話も掲載する。〕

 

493*帯状疱疹の痛みをとる本 イラスト版(本田 まりこ 監修)(3:52)講談社 2016年
〔帯状疱疹にかかったときの症状の見分け方をイラストでわかりやすく解説。さらに、帯状疱疹と診断されたあとの治療の流れや治療法の種類、帯状疱疹後神経痛が残った場合の治療も紹介。チェック欄あり。〕

 

<文学書>
913*お釈迦様もみてる[5]――スクールフェスティバルズ(今野(こんの) 緒雪(おゆき) 著)(5:27)集英社 2010年
〔花寺学院高校の文化祭には、リリアン女学園から薔薇(ばら)さまと呼ばれる生徒会役員が招待されている。男子校に女生徒が来ることもあって、生徒たちが浮き足立つのは必至。そのため、文化祭に加えて薔薇さま方を迎え入れる準備に生徒会は大忙しだった。〕

 

913*お釈迦様もみてる[6]――S(エス)-キンシップ(今野 緒雪 著)(4:30)集英社 2010年
〔花寺学院高校の生徒会役員には、一卵性双生児の薬師寺(やくしじ)兄弟がいる。日光(にっこう)・月光(がっこう)と呼ばれ、常に行動をともにする彼らは、一緒にいないと違和感を覚えるほどだ。そんなある日、いつものように生徒会長の烏帽子子(えぼしご)・福沢祐麒(ゆうき)が生徒会の手伝いをしていると、月光(がっこう)先輩がおもむろに腹痛を訴えはじめた。〕

 

<児童書>
J913*ヤマネコのきょうだい(岡野 薫子(かおるこ) 著)(6:57)講談社 1978年
〔野性的な美しさをもつヤマネコは、大変利口な動物。いつも自分ひとりで考え、自分の力で切り抜ける。でも時には失敗することもある。野性のヤマネコの魅力を、すがすがしい筆致で描く。〕

 

●次の図書は、2018年度青少年読書感想文全国コンクール課題図書です。

E ルラルさんのだいくしごと(いとう ひろし 作)(0:29)ポプラ社 2017年
〔ルラルさんの大工仕事の腕前はなかなかのもの。窓やドアを直すのなんて朝飯前。
いすやテーブルだって作ってしまいます。今日の大工仕事は、雨もりする屋根の修理。ところが、修理を終えて屋根からおりようとしたら…。〕

 

E なずずこのっぺ?(カーソン・エリス さく,アーサー・ビナード やく)(0:39)フレーベル館 2017年
〔「なずずこのっぺ?(なにこれ?)」「わっぱどがららん(さっぱりわからん)」 ひとつの花の芽を巡る昆虫たちの日常を、誰も聞いたこと、読んだことのない不思議なオリジナル言語「昆虫語」で綴る絵本。〕

 

E 森のおくから むかし、カナダであったほんとうのはなし(レベッカ・ ボンド 作,もりうち すみこ 訳)(0:44)ゴブリン書房 2017年
〔アントニオは、深い森に囲まれた湖のほとりに住んでいました。ある夏、山火事が起きました。逃げる場所は湖だけです。その時、アントニオの目の前で思いもよらないことが…。100年ほど前に、カナダでほんとうにあったお話。〕

 

E すごいね!みんなの通学路――世界に生きる子どもたち(ローズマリー・ マカーニー 文,西田 佳子(よしこ) 訳)(0:37)西村書店 2017年
〔世界中の子どもたちはどうやって通学しているの? 地震や台風といった自然災害や、川の急流、険しい山道にも負けず、学校に通う子どもたちの姿をとらえた写真絵本。ノーベル平和賞受賞者マララさんの写真も収録。〕

 

E がっこうだってどきどきしてる(アダム・レックス 文,クリスチャン・ ロビンソン 絵,なかがわ ちひろ 訳)(0:35)WAVE(ウェイブ)出版 2017年
〔はじめての教室、はじめての先生、はじめてのクラスメート。学校だってどきどきしてるって、知っていた? ぴかぴかの新しい学校といっしょに、どきどきして、切なくなって、笑える絵本。〕

 

J616 千年の田んぼ―― 国境の島に、古代の謎を追いかけて(石井 里津子(りつこ) 著)(4:24)旬報社(じゅんぽうしゃ) 2017年
〔秘境の離島に日本最古の田んぼ? いったい誰が? なんのために? 日本海の荒波の向こうに浮かぶ島、山口県萩市見島に刻まれた“奇跡の風景”の謎を解く。見返しに地図あり。〕

 

J913 こんぴら狗(いぬ)(今井 恭子(きょうこ)作,いぬんこ 画(が))(8:40)くもん出版 2017年
〔飼い主・弥生の病気が治るようお祈りするため、犬のムツキは江戸から讃岐の金毘羅さんまでお参りに出され…。ムツキの往復340里の旅路と、道中の出会いや別れを描く。本当にあった風習「こんぴら狗」を基にした歴史物語。〕

 

J913 一〇五度(佐藤 まどか 著)(5:41)あすなろ書房 2017年
〔都内の中高一貫校に編入した、中学3年生の真は椅子オタク。超中学生級モデラーの梨々(りり)とタッグを組み、プロダクトデザインの登竜門「全国学生チェアデザインコンペ」に挑む…! 椅子デザイナーを目指す少年の、熱い夏の物語。〕

 

J913 レイナが島にやってきた!(長崎 夏海(なつみ) 作,いちかわ なつこ 絵)(2:21)理論社 2017年
〔島の4年生は優愛(ゆうあ)たち3人だけだったので、女の子が同じ学年に転校してくると聞いて、優愛は楽しみにしていた。でも、その子はちょっと変わっていて…。里子として島にやってきたレイナと島の子どもたちの素敵なお話。〕

 

J913 きみ、なにがすき?(はせがわ さとみ 作)(0:39)あかね書房 2017年
〔あなぐまが、庭でともだちの好きなものをつくりたいと考えます。でも思いつくものはみんな、ともだちが持っていて…。友だち思いが空回りするあなぐまが、優しい言葉に救われるお話。〕


J933 わたしがいどんだ戦い1939年(キンバリー・ブルベイカー・ ブラッドリー 作,大作(おおさく) 道子 訳)(9:46)評論社 2017年
〔1939年。2度目の世界大戦さなかのロンドン。足の悪いエイダは、けんめいに歩く練習をしていた。歩けさえすれば、弟といっしょに疎開できる! 自分らしく生きるために戦う少女と、彼女をあたたかく包む村の人たちを描く。〕

 

J933 最後のオオカミ(マイケル・モーパーゴ 作,はら るい 訳,黒須(くろす) 高嶺(たかね) 絵)(1:44)文研出版 2017年
〔戦争を生きのびた少年・ロビーは、残忍なイギリス軍に追われる。一方、狩りで殺されたオオカミには子供がいて…。孤児であり逃亡者であるという運命で結ばれた、オオカミと少年の友情と別れの物語。〕

 

J933 ぼくとベルさん――友だちは発明王(フィリップ・ロイ 著,櫛田(くしだ) 理絵(りえ) 訳)(6:29)PHP研究所 2017年
〔10才の少年エディは読み書きができないために、ほんとうは賢いのに、それを証明することができないでいた。そんなエディは発明家・ベルと出会い…。エディとベルの友情の物語。〕

 

J956 いのちは贈りもの――ホロコーストを生きのびて(フランシーヌ・クリストフ 著,河野(こうの) 万里子(まりこ) 訳)(6:59)岩崎書店 2017年
〔6歳から12歳まで、ナチスドイツによるユダヤ人迫害(ホロコースト)を経験した著者による手記。平和な生活を奪われ、苛酷な状況に追い込まれていく様子を、子どもならではのまっすぐな視点と透明感のあることばで語る。〕

 

4.おすすめ図書の紹介(センター職員より)
 若いころは、自分の時間を好きなように使えたので、話題になった本はすぐに購入し、片道約1時間の通勤電車の中で沢山本を読みました。
 現在は、子育てをしながら仕事もしているので、なかなかじっくりと読書の時間はとれませんが、それでも合間を見て読めるときには週末に寝ずに一気に読んだりしています。私の好きな本は、読んだ後、心があたたかくなるお話です。読んでいる途中、クスリと笑っても、ボロボロと涙を流しても、読み終わった後、心がほんわかとした本をご紹介します。
(河野(こうの))

 

『旅猫レポート』(有川 浩(ひろ) 著)講談社 2015年
 かぎしっぽのオス猫ナナとサトシの最後の旅のお話。猫目線でお話が進みます。
私も猫を飼っているのですが(ナナと一緒のかぎしっぽ、オス猫)、「あぁ、うちの猫もそんな風に思っているのかなぁ」と笑ってしまいました。
 ラストは一番、こうなって欲しくないという結末で、しゃくり上げながら泣いて読みましたが、読み終わった後、爽やかな気持ちになり、本当に読んで良かったと思えた一冊です。ペットを飼った経験がある方、動物好きの方は是非読んでいただきたいと思います。

 

『大きな木』(シェル・シルヴァスタイン 作・絵,村上 春樹 翻訳)あすなろ書房 2010年
 これは、絵本なのですが、読む年齢、自分の立場によって感想や解釈がどんどん変わる不思議な本です。初めて読んだのは、小学生でした。(翻訳者と出版社は今とは違います。)父からのプレゼントでした。その後も、節目、節目に読み返していました。そしてプレゼントしてくれた頃の父とほぼ同年齢になり、改めて読み返して驚いたくだりがありました。ネタバレになってしまうのですが・・・。
 木は何度でも少年の願いを叶えてあげます。それで木は幸せなのです。でも、少年がやがて大人になり、「遠くへ行きたい」と言い出します。木は「舟をつくりなさい。」と自分の幹を大人になった少年にあげます。そして(文中、木が)「幸せに・・・なんてなれませんよね」と言うフレーズが出てきます。子供の頃の私は、こんなに何もかもあげて、切り株にされて、「ひどすぎる!幸せじゃないよ!」と思っていましたが、自分が子供を持ってみて、「木が幸せでないのは、何もかもを与えてしまったということではなく、坊やが舟に乗り遠くへ行って会えなくなってしまうのが悲しいのだ。」と思うようになりました。無償の愛を与えてもらうこと、無償の愛を与えること。更に私が年齢を重ね、また読んだとき、どんな感想を持つか楽しみな一冊です。
以上

 

 

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