おすすめ図書の紹介(2019年7月)

『和菓子のアン』 『アンと青春』 坂木(さかき) 司(つかさ) 著
 私の最近のおすすめの本は坂木司さんの小説です。短編物はテンポも良く、ひとつ読み終えるとスッキリします。
 また、特におすすめの『和菓子のアン』と『アンと青春』は、主に百貨店の中の和菓子屋「みつ屋」を舞台に繰り広げられる人間模様。従業員である主人公の杏子(きょうこ)ちゃん(通称…アンちゃん)をはじめ、頼もしい椿店長、仕事には厳しいが乙女な男子の立花さん(美男子らしい!!)、仲間思いの桜井さん。そして、何よりもお客様。
 とにかく、アンちゃんは和菓子だけでなく、目の前の食べ物の描写が上手い! 何もかもが美味しそう。登場する四季折々の和菓子は、こちらまでその季節を味わっているような感覚になります。
 和菓子それぞれには意味があり、歴史があります。何回も繰り返して読みたい本です。読むたびに「みつ屋」の4人に元気をもらえます。そして、読むたびに熱いお茶と一緒に和菓子が食べたくなります。和菓子が好きな方も、またはそうでない方も、一度この4人に出会ってみてはいかがでしょうか。

(点字出版 S)