おすすめ図書の紹介(2021年4月)

『ヨーロッパ文化と日本文化』 ルイス・フロイス著 岡田 章雄 訳注
 戦国時代の日本で布教活動を行ったポルトガル人宣教師ルイス・フロイスが、ヨーロッパと日本の文化の違いを簡潔な文章で書いています。続けて訳注があり、内容が理解しやすくなっています。「われわれはすべてのものを手をつかって食べる。日本人は男も女も、子供の時から二本の棒を用いて食べる。」「われわれは坐り、彼らはしゃがむ。」など…かなりショッキングな内容もありますが、多岐にわたる分野について書かれ、フロイスが洞察力の優れた人物であったことが窺えます。(デイジー版があります)

 

『完訳フロイス日本史 1~12』 ルイス・フロイス著 松田 毅一,川崎 桃太 共訳
 ルイス・フロイスで有名なのは「日本史」です。これは「初期日本キリスト教会史」ですが、16世紀の日本史研究において個人の著述としては最長篇とされています。『完訳フロイス日本史』として全12巻が刊行されています。まだ、1巻目の「織田信長篇1 将軍義輝の最期および自由都市堺」を読み終えたところですが、将軍義輝の壮絶な最期は昨年の大河ドラマ「麒麟がくる」の場面と重なるものがありました。織田信長篇とありますが、1巻目ではまだ信長は登場しません。外国人から見た戦国時代の日本を知る貴重な史料です。(毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞) (テープ版 デイジー版があります)

(貸出係 T)