おすすめ図書の紹介(2022年4月)

『花のさくら通り』 荻原 浩 著 集英社文庫 2015年
 この本は「ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!」というテレビドラマの原作となった本です。倒産寸前のユニバーサル広告社は、都心から「さくら通り商店街」へ移転する。その後、地元の商店会の人たちと一緒に、シャッター通りの商店街の活性化プロジェクトを立ち上げる。
 地元の商店会の人々は、ユニバーサル広告社の社員やコピーライターの杉山に、最初は反発していたが、街の活性化について一緒に向き合っていくうちに、しだいに前向きな気持ちに変わっていく。主人公の杉山をはじめ、商店会の人々がいきいきと描かれており、読んでいくうちに明るい気持ちになりました。「ユニバーサル広告社」シリーズは、この本のほかに『オロロ畑でつかまえて』、『なかよし小鳩組』があります。

 

『小説 天気の子』 新海 誠 著 角川文庫 2019年
 新海誠監督の長編アニメ映画「天気の子」のノベライズ版で、監督自らが書き下ろした本です。主人公の高校1年生の帆高(ほだか)は、離島から家出し東京に上京する。しかし、すぐに帆高を雇ってくれるところは見つからない。途方にくれていたところ、編集プロダクションのCEO・須賀に雇ってもらう。その後、不思議な能力(晴れ女)を持つ少女・陽菜(ひな)に出会う。帆高は陽菜と、陽菜の弟の凪(なぎ)と3人で「お天気ビジネス」をはじめる…。
 文章は読みやすく、登場人物や風景、天候の様子も丁寧に描かれています。普段あまり読まないジャンルの本でしたが、久しぶりに気分転換になり、面白いと感じました。

(貸出担当 K)