おすすめ図書の紹介(2023年1月)

『みちづれの猫』(唯川 恵(けい)著)集英社 2022年
 7つの短編で、様々な年齢の女性たちを主人公に寄り添う猫を絡めた物語。一話完結編ですが、どれも世界観があり、引き込まれて一気に読み終えてしまいます。ほっこりするだけでなく喪失や別離も描かれており、猫を通じて大切なものに気づいたり、猫が人を繋げてくれたり、元気になるきっかけをくれたりと、猫から言葉以上の不思議な力を感じます。どの物語も人の温かみや優しさにジーンときて涙してしまいます。猫好きもそうでない方にも、読後の余韻も味わえる心に響く温かな本です。

(櫻田)

『こども六法』(山崎 聡一郎 著)弘文堂 2019年
 こども六法には、たくさんある法律の中で、子どもにも関係のある法律、知っておいたほうがよい法律がピックアップされています。小学校高学年以上の人が読めるように、イラストつきで、なるべく普段使っている言葉で誰でも楽しんで読めるように書き直したものです。
 昨今子どもを取り巻く社会問題は多様化し、いじめ問題、虐待、SNS等家庭環境は様々であります。子どものときから、やってはいけないことの線引きをきちんと理解すること。また、もし自分が犯罪の被害にあってしまったら、現状を正しく理解し、適切な対応が取れるようにという願いで制作されています。この本を通じて正しい法知識を身につけたり、いざという時に自分で自分の身を守る手段として、活用できる本となっています。

(深澤)