音訳

録音の様子。防音の部屋にスタンドライト、書見台、録音機器が用意され、静かな環境で録音図書を作成します。

 録音図書製作

 録音図書や雑誌、広報紙等、音訳ボランティアの協力を得て製作しています。

 

音訳とは…

「音訳」「音声訳」は、視覚による情報取得が困難な人たちへ、①ききとりやすい音声で、②正確に、③できるだけ迅速に、届けることを目的としています。主体はあくまで聞き手であり、読み手の自己表現のためにするものではありません。いわゆる「朗読」や「読み聞かせ」のような、声を大きくしたり小さくしたり、声色を使ったりといった演劇的な手法は用いません。アナウンサーがニュースを読むような読み方に近いものです。

音訳とは… その2

基本は音読ですが、聞き手に配慮しなくてはならない場面があります。次の例文を声に出して読んでみてください。

例文1 この物語は生と聖をめぐる考察だ

セイという音の漢字は、生、性、精、正、制、青、清、静、聖、姓、などたくさんあります。「生」は「せい いきる」、「聖」は「せい ひじり」のように補足をすると正確に伝えることができます。

例文2 父と私と娘3人で富士山に登った

さて、総勢何人で富士山に登ったのでしょう? 3人? 5人? 区切る位置をかえると違って聞こえます。

例文3 柳田國男と柳田邦男は間違えやすい

同じ柳田ですが、前者は民俗学者の「やなぎたくにお」、後者はノンフィクション作家の「やなぎだくにお」です。他にも東京の日本橋(にほんばし)と大阪の日本橋(にっぽんばし)など、同じ漢字でも違う読みをする語がありますので、下調べは重要です。

 

 音訳ボランティア養成講座

千葉県と千葉市の委託により、録音図書製作に携わる音訳ボランティア養成講座を、毎年行なっています。

時期と回数:4月から3月(全20回程度)

曜日と時間:木曜日 10:00~12:00

受講料:無料(ただし教材費は実費 1000円から2000円程度)

場所:当センター5階

募集定員:20名

受講資格:①千葉県内在住の方

     ②基礎的な国語力のしっかりした方(学歴は問いません)

     ③新聞や文庫本など細かい活字を読むのが苦にならない方

     ④忍耐強く、几帳面な方

※毎年3月に募集を開始します。募集要項をよくお読みの上、お申込みください。

 

 

講座の内容は…

1 視覚障害についての知識

2 基本的な発声・調音の習得(日本語発音の約束事)

3 内容を正確に伝える読み方

4 読みの調査法(人名・地名・難読語など)

5 活字符号や図・表・写真などの処理(配慮)の方法

6 録音機器類の操作法

7 課題録音(講座日程以外に2~3回程度来所していただきます)

8 持ち帰りの課題が出ます(年5回ほど)

このように、音訳をするためには「音読する」以外の知識・技術が必要です。

講習終了後は…

当センターの蔵書製作に取り組んでいただきます。また、定期的に発行している録音雑誌や広報誌などを録音する活動もあります。熟練者の中で適性があると思われる方には、さらに講習を受けていただき、校正ボランティア・指導ボランティアなどをお願いすることもあります。

録音機器は…

デイジー(DAISY)という形式のデジタル録音をしています。センタースタジオではシナノケンシ株式会社のDR-1という録音機を使用しています。

参考ページ

デイジー研究センター http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/index.html

プレクストーク(シナノケンシ株式会社) http://www.plextalk.com/jp/

音訳するものは…

利用者の要望は、見える人とそうかわりません。小説、エッセイ、ハウツー本、専門書から、囲碁・将棋、漫画、家電の取扱説明書、催し物のパンフレットまで、多岐にわたります。音訳はそれらの要望にどう応えていくか、知識を身につけ、さらに試行錯誤を重ねていく活動です。