台風15号で被害を受けられた皆様にお見舞い申し上げます

 10月になりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。先月号で、猛暑の際はエアコンなしで生活できないとこの欄で書きましたが、9月9日、千葉市に上陸した台風15号は県内に大きな爪痕を残し、長期間にわたる、停電、断水等で多くの皆様が不自由な生活を強いられました。特に、はじめの3日間は猛暑日もあり、県内では熱中症で亡くなる方も複数名おられました。また、屋根の補修中に転落により、3名の方がお亡くなりになっています。

 千葉県は、現在も、この台風による被害報告のなかで死者、行方不明者はゼロとしています。自然災害の統計としては、そのとおりかもしれませんが、停電が原因で亡くなった方をふくめると、いったい、この台風による関連被害で何名が犠牲になったのか、しっかりと検証してもらいたいと思います。

 初動体制にも遅れがありました。当初、人的な被害がないということで、マスコミも交通機関の乱れについては大々的に報じましたが、停電や建物被害等については報じませんでした。県もマスコミも私たちも「11日までには停電は復旧する」という東電の説明を信じてしまっていました。11日になっても40万件以上の停電件数があり、復旧が13日以降になるといわれ、慌てて停電地域の皆様への聞き取り調査を開始した次第です。

 ちなみにセンターは換気口から水が入り、各階水浸しで出勤できた職員で水かきと掃除をしました。交通機関の関係で2日間ほど出勤できない職員もいましたが、停電をまぬかれましたので大きな影響はありませんでした。(もちろん、自宅の停電が長引いたり、交通機関の影響のため厳しい通勤を強いられた職員はいました。)

 聞き取りを始めた当初は、電話がまったくつながらない地域もありました。ただ、そのなかでも、近隣の方からの情報で安否確認ができたりということが多く、たのもしさを感じたものです。自治体からの情報の無さ、少なさもお聞きしました。自宅が停電している職員からの情報で、自宅に帰ると携帯も圏外で情報を得られない、発信できないどころか、どことも連絡がとれないという実態も知ることができました。

 今回のように、被害があっても自宅にいる、無くなったものはない、ただ、命にかかわる日常生活では不便を強いられているという際、どうしたらいいのか、地震や洪水と違う災害にどう向き合ったらいいのか、今後あっては困りますが、検証が必要ですね。

 先月号で、音訳者の全国表彰の説明の際、日本盲人福祉委員会の説明を若干しましたが、その組織の中に災害支援チームがあります。今回の千葉県の災害においても職員の派遣の動きはありましたが、体制が整わず見送りとなりました。今後、この経験をお互いに生かしていくことができればと考えます。

 被害を受けられた皆様が一日でもはやく普段の生活を取り戻せますよう願います。

 多くの皆様に支えられ、私たち職員一同これからも、これまで以上に皆様に利用していただける施設づくりを目指しますので今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。