2020年(令和2年)2月 2づくしに大学受験を思う

 ついこのあいだ年明けのカウントダウンをしたかと思う間もなく2月になりました。皆様、暖冬とはいわれますが寒い日が続いています。お変わりございませんか。

 世の中は受験シーズン真っただ中です。小・中・高・大それぞれに健闘を祈りたいところです。この時期になるといつも自分の大学受験のころを思い出します。大学入試センター試験として行われるのは今年が最後だとか。ただ、改革は頓挫しましたので来年以降何が変わるのかよくわからない有様です。

 私が受験したのは共通一次試験の4回目です。当時は国公立大学の受験生しか受けませんでした。問題量の多さもさることながら、マークシートはうすい楕円形の枠をぬりつぶさなければならないもので、弱視者にとっては問題を解く以上の難問でした。弱視者への時間延長が1.3倍と認められたのは就職後ですので時の流れを感じます。

 2次試験はそれぞれの大学で趣向を凝らしたものが行われていました。私が受験した大学は小論文2題。配点は1000点満点だった共通一次試験と同等。つまり、世紀の大逆転もありという予感を感じさせていました。そうして臨んだ第1問、「最近読んだ本の書名と著者名を10タイトルあげなさい。そのなかから1タイトルを選び、選択した理由とその本に対する思いを800字以内でまとめなさい。」細部はあやふやですが、こんな内容の問題でした。受験生にこんなのありかと怒りを感じつつも、1タイトルは当時の恩師から、「その大学を受験するならこれを読んでおけ」といって渡された林竹二(はやしたけじ)著『教育の再生を求めて』を感銘を受けながら読みましたので、熱い思いを書いた覚えがあります。「湊川で起こったこと」という副書名がついていたと記憶していますが、荒れた学校に入り、教師たちをまきこみ苦心した取り組みの記録でした。大学改革にも大きな影響があり教員養成もユニークなものが随所にありました。あとの9タイトルは適当な書名を並べた記憶があります。夏目漱石の「漱」という字があいまいだったので、間違えるよりはと他の著者の書名にしたことは覚えています。結果は、見事合格、私が取り上げた著書は受験校の前学長の著書であったことが影響したのであれば恩師へ感謝です。この著書を含め3タイトルがデイジー図書としてサピエに登録されています。読む本に困ったときにどうぞ。

 本当は、現代学生百人一首を取り上げるつもりだったのですが、またの機会にしたいと思います。

 多くの皆様に支えられ、私たち職員一同これからも、これまで以上に皆様に利用していただける施設づくりを目指しますので今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。