さみしい秋 されど読書の秋
所長 川崎 弘
10月になりました。9月の半ばころからようやく朝晩が涼しくなり、日中も猛暑から解放されました。7月が涼しかったとはいえ、猛暑の期間が後ろへ伸びただけのようでした。お変わりございませんか。今年は新型コロナ対策に加え猛暑対策と大変な夏でしたが体調を崩された方はおられませんでしたでしょうか。
本来でしたら、福祉大会ほか行事が目白押しの10月ですが、今年はさみしい限りです。センターは普段通り開館していますが、来館されるたびに氏名の記帳をお願いしたり、部屋の使用に人数制限を設定させていただいたりと皆様にご不便をおかけしております。早い終息が待たれるところです。さて、猛暑の夏が去り、読書の秋を迎えました。昨年6月に成立した視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(通称:読書バリアフリー法)を受けて、5回にわたる関係者協議会とパブリックコメントを経て、今年の7月、当初の予定から4か月遅れで、文科省と厚労省から向こう5年間の基本計画が発出されました。1年目の今年はコロナの影響もあり、形のあるものはできていませんが、11月頃より文科省の予算による公共図書館職員向けの研修がスタートします。内容は点字図書館、学校図書館との連携についてです。私は点字図書館の立場から話をする機会をいただきました。
当センターでも今年度8回目の開催となる視覚障害サービス担当者研修会を2月に開催予定です。7年前の開始当初より公共図書館、学校図書館を巻き込んで行っていましたので先行していたことになります。コロナのなかで公共図書館が軒並み閉館するなかで点字図書館は制約はありながらも郵送サービスとサピエ図書館が稼働していたことは誇れることだと思います。点字・録音図書、雑誌の製作面でボランティアの皆様の献身的な働きがあったことも忘れてはなりません。しかも、公共図書館と違い、すべてにおいて無償で行われています。このような状況も伝えていきたいと思います。法律の基本計画では資料の量的、質的増加について書かれていますが、それを担っていただく方々の処遇にも踏み込まなければならないと考えます。
難しい話はここまでとして、気候もよくなりますので、ぜひ、多くのよい本との出会いがありますよう願います。何を読んだらよいか困った際は、職員からのおすすめ図書や、私のこれまでのつたない読書案内などもご参考にしていただけましたら幸いです。
多くの皆様に支えられ、私たち職員一同これからも、これまで以上に皆様に利用していただける施設づくりを目指しますので今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。