千葉県読書バリアフリー推進計画が作成中です

                                所長  川崎 弘

 

 12月を迎えました。あっという間に師走ですね。皆様、いかがお過ごしでしょうか。お変わりございませんか。

 ようやくセンターもさまざまな活動で賑わいを取り戻しました。本当にようやくですね。ただ、何事も油断は禁物、今後も感染対策を施しながらの事業運営となります。引き続きご協力いただけますようお願い申し上げます。

 2019年6月の読書バリアフリー法の制定を受け、国が2020年7月に向こう5年間の読書バリアフリー基本計画を作成しました。各都道府県はこの基本計画を受け、地域の実情にあった推進計画(こちらも向こう5年間です)の策定に向け動き出しています。千葉県では教育庁生涯学習課が中心となり生涯学習審議会読書バリアフリー推進部会のなかで千葉県読書バリアフリー推進計画を作成中です。もちろん、健康福祉部障害者福祉推進課の担当者も1名ですが入っています。当初、年度内策定を目指していましたが、この機会を逃すと実現したい事項を盛り込めなくなるという焦りもあり、私も相当発言をしましたので調整作業に時間を要し新年度明けにずれ込みそうです。ここは、時間をかけしっかり進めた方がよいと思います。いずれ、パブリックコメントで多くの皆様からのご意見をいただく機会がありますのでその際はよろしくお願いします。

特に私が強調したことは、聴覚障害者への情報提供が手話通訳者や要約筆記者のような国家資格者に委ねられ報酬が保障されているのに、視覚障害者のそれはいまだに点訳も音訳もボランティアの善意に頼っている状況の打開でした。当初5年間ですべて解決するとは思えませんが、計画のなかに「点訳者や音訳者等の特定書籍(点字図書のことをいいます)、特定電子書籍(デイジー図書)等の製作に係る人材については、ボランティアのみに頼ることなく、労働環境の整備と充実に努めます。」という文言を盛り込めたのは大きかったと思います。報酬もなく、そのうえ交通費の手当もなく働いていただいているボランティアの皆さんに少しでも報いることができれば長年の夢がかなうことにもなります。

 千葉県はこのように一定の理解のもと計画策定へ向け動いていますが、現在、21の県と千葉市を含む多くの政令指定都市では計画策定の予定すら立っていません。せっかく制定された法律が絵に描いた餅にならないためにも、しっかりとした目標を立て進めていきたいと思います。
ちなみに、全国には86の点字図書館があります。札幌市、旭川市、さいたま市、豊島区、大田区、川崎市、相模原市、横須賀市、藤沢市、名古屋市、京都市、大阪市(なんと2か所)、堺市、神戸市、下関市、高知市、北九州市、福岡市では独自に点字図書館を持っています。600万を超える人口を有する千葉県ほどの都道府県で点字図書館が1ヶ所しかないという例はありません。私は千葉市民として恥ずかしい思いをしています。箱モノが無理であれば予算だけでも出せばよいと思っています。年の最後で吠えてしまいましたが皆さんはどう思われますか?

多くの皆様に支えられ、私たち職員一同、これからも、これまで以上に皆様に利用していただける施設づくりを目指しますので今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。