「短い秋」の「長い夜長」に感じたこと

所長  川崎 弘

 12月になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。お変わりございませんか。

11月初旬は夏日が続き冷房を入れられた方もおられたのではないでしょうか。それが中旬になると一気に最低気温が一桁となり暖房を入れられた方もあったのではないでしょうか。季節の移ろいがなんだかおかしくなってきたように感じます。皆様どうぞご自愛ください。

11月は各地で表彰を伴う大会が行われる機会が多いのですが、日本盲人社会福祉施設協議会が創立70周年を迎え記念大会を11月9日に開催しました。センター関係では特別ボランティア表彰として点訳・藤波和子様、音訳・河野浩美様、ボランティア表彰として点訳・菊川剛充様、音訳・中西美智子様が受賞されました。長年の活動に感謝申し上げます。また、職員の髙橋恵子が勤続48年で特別永年勤続表彰を受賞しました。ただただ頭が下がります。

 さて、表題に書きましたこと、いったいなんだと思われた方もおられるでしょうが、川崎のプライベートな一端を披露しますと、午後10時台に就寝し、午前2時台から3時台に起床するという生活を続けています。完全なる朝方です。5時半に朝食、6時過ぎに自宅を出発し7時前後にはセンターに到着するという毎日です。そんななかでたまに寝る間も惜しんで書物を読みふけるということが年に何度かあります。今回は東野圭吾著『あなたが誰かを殺した』がそれです。途中で止められず朝を迎えました。サピエにも登録されていますのでご興味のある方はどうぞ。

 自分がはまった本がサピエに登録されていたり、製作途中であったりするとこうしてご案内もできるのですが、できる可能性のないものも結構あるのです。例えばポルノ小説にジャンル分けされるものがそうです。なかにはえげつないものもたくさんありますが女性が書いたよい作品もあります。そのような情報はかなり制限されているのではないかと感じるのです。「サピエに登録されていること自体が悪だ」という方(学校の先生です)もおられバトルを繰り返しているところです。点字図書はある程度の量がありますが音声デイジーは少ないです。排除するのではなく、そういったものもあると伝えるのも読書教育の一環だと思うのです。ネット上にこれだけアダルト動画がまん延している中で、「見るな」とだけいうより、「安全な見方」を教える方がどれだけためになるかと考えますがこれも炎上しますか?私などは禁止されてもこっそり仲間内で楽しんでいたものです。その「こっそり」がなくなったら味気ないなあと感じてしまいます。短い秋の夜長にこんなことを考えていました。

 多くの皆様に支えられ、私たち職員一同、これからも、これまで以上に皆様に利用していただける施設づくりを目指しますので今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。