iPhoneやiPadなどの Apple 製品向け無料のアプリとして、視覚障碍者の生活を一変する可能性のあるアプリが提供されています。
アプリの名前は Be My Eyes。
視覚障碍者総合支援センターちば職員が、このアプリの日本語化に協力しています。
以下は、各種メディアの掲載記事から、一部引用します。
(出典)
・リモートで視覚障害者の目になれるボランティアiOSアプリ「Be My Eyes」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1501/16/news069.html
Be My Eyesは、目の見える人がボランティアとして登録しておくことで、視覚障
害者をビデオチャットでサポートできるiOSアプリだ。
(出典)
・僕は目が見えない人の目になろう、「Be My Eyes」で
http://www.gizmodo.jp/2015/01/be_my_eyes.html
目の見えない人がいる。いくらパッケージを睨んでも賞味期限はわかりません。
別の場所に目の見える人がいる。見せてもらえれば賞味期限は一発でわかります。
このふたりを結ぶのが、「Be My Eyes」。
目の見えない人が目の見える人にヘルプを求めると、時間が空いてる人がビデオ
電話に出て、「あ~それの賞味期限は○○ですよ」と教えてあげることができるア
プリです。
Thermodo社が2012年、デンマーク国内のスタートアップイベントでアイディアを
発表して見事優勝し、2年近くかけて開発、17日やっとリリースに漕ぎ着けました。
発案したのはHans Jørgen Wibergさん。哲学と社会&アート&テクノロジーのこと
に造詣が深く、手先が器用で、障がい者にアクセスを提供するお仕事をメインに
している方です。
【動画の訳】
仮に自分がなんにも見えない人だとします(0:41-。会場が真っ暗になる)。
晩ご飯を料理しようと思ったら、レシピには『ココナッツミルクを混ぜる』とあ
ります。ところが台所には缶が3つあって、どれがどれかわかりません。ヤマ勘
も…怖い(会場笑)。
こういうとき、みなさんならどうします? そうですね、普通は杖をついて隣の
人を呼んできたりします。
目の見えない人は毎日がこの連続です。「ちょっと目があれば済むことなの
に…」という細かいことが山ほどあるのです。
「ミルクの賞味期限がわからない」
「電気料がわからない」
「鏡に映る自分の姿がわからない」
隣の人に頼むのもたまにだったらいいけど、限界ありますよね。重荷になりたく
ないし。
なぜこの問題にこんなに拘るのかというと僕自身、目がほぼ見えないからです。
生まれた時は普通に180度見えました。それが年々視野が狭まって今はたった5度
なんです。今こうして真っ直ぐ前を見ると…2人見えます。今日は来てくれてあり
がとう(2人に手を振る。会場笑)。
現在はデンマーク視覚障がい者協会で働いてます。その関係で目の不自由な人の
家を訪ねて話を聞くコンサルタントもしてました。料理を教えたり。するとみん
なこう言うんですよ。
「あー1日1回か2回でいいから誰かに相談できたらら家族や友だちに頼らなくて
もいいし、今よりずっと沢山のことができるのになあ…」
そこで生まれたのが視覚障がい者と健常者をビデオ電話で結ぶiPhoneアプリ「Be
My Eyes」です。
スカイプやFaceTimeは相手を選んで電話かけないと使えませんけど、「Be My
Eyes」は助けたい人が助けたい時にサインインしてヘルプするので気兼ねは要り
ません。携帯カメラから入る映像を見て「左のがココナッツミルクですよ」と教
えてくれるので、間違ってコーヒー缶を空ける心配もなし。ただ「サンキュー」
と言ってココナッツミルクの缶を開ければいいんですね。
「Be My Eyes」はまったく新しいボランディアのかたち。この上なく簡単で手
軽。僕はこれを「マイクロ・ボランティアリング」と呼んでます。
いつでもボランティアができるんです。仕事の休み時間。レジで並んでる待ち時
間。ソファで寝っ転がってるとき。いつでもいい。
みんな暇なときはゲームしますよね。Angry Bird、Jelly Splash、Fruit
Ninja…。もっと有効な時間のつかい方があると思うんですよ(会場笑)。
「Be My Eyes」は非営利団体です。世界中の目の見えない人と目の見える人をつ
なぐことが最終ゴール。
朝鏡で自分の顔を見る…これは僕らにとっては途方もないことです。ですが、み
なさんの目と「Be My Eyes」があれば、一緒に鏡を見ることができる。そしたら
世界は今よりほんの少し良くなると思うんです。Thank you。
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